あいつは知らない。
知られても困る。
この関係がなくなるのは嫌だ。
たいした関係はないけど。


バンッ

「痛っ...」
私の後頭部めがけて飛んできたボールを拾いながら私は後ろをギロッと睨んだ。
「わりぃわりぃ」
「危ない!の一言くらい言ってよ...」
「痛くないっしょ。平気平気~!」
「ちょっとは反省しなさいよ!コントロール悪すぎ!」

「頭がガンガンする...」
頭をさすりながら歩いていると
「茉梨先輩大丈夫ですか?笑」
「あ、陽菜ちゃん。痛すぎます。」
「でも龍先輩だったからよかったじゃないですか~!笑」
「いや、そこまでM要素ないんで私...」
「まぁ話せたしいいじゃないですか!」
「うん...まぁ...」


私は古川 茉梨。高2。男バスマネ。
で、さっき私にボール当てたのが
須賀 龍聖。高2。男バス。みんなからは龍って呼ばれてる。


まぁお分かりの通り私の片想い。
アプローチなんかする勇気もないからきっとこのままだ。
そりゃもっと仲良くなりたいけど...