「この脱出ポートに乗ってください!」

係員がそう叫んだ。

人々は次々に乗り込んでいく。

奏たちも乗り込もうとしたそのとき。

「美咲っ!先乗ってて!」

「奏!?」

奏は会場へと戻っていったのだ。

「おばあちゃん大丈夫?」

「すまないねぇこんな老いぼれに」

「そんなこと言わないでよ
助けあわなくちゃね!」

奏はおばあちゃんをおぶって美咲の元へ戻っていった。

「奏っ!急にいなくならないでよ!
心配したんだから!」

「ごめん美咲…」

そしておばあちゃんと奏が乗り込もうとしたとき。

ピーーーー。

どうやら定員オーバーらしかった。

すると、奏はポートから降りた。

「美咲、あとはよろしく。」

「奏ーーーーーー!」

無情にもポートは
地上へ向けて走り去っていった。