今まで眠っていたせいなのか、怯えるように目の前の斎を見ている。

「神父なんだって。さっきピンチだったところを助けてもらったんだ」

 その声に明美を振り向き、その後ろから心配そうにこちらを見ている聖と和己を確認し、安堵の色を浮かべる。

「明美ちゃ……あっ」

「うわっと!」

 緊張が解けたところで崩れるように倒れ込むのを、慌てて側にいた斎が支え、再び寝かせた。

「………」

「私は斎。神父です。今は安静に眠った方がいいですよ」

 何かいいたげな様子のひとみに諭す。けして体調がいいとはいえないひとみのほうも、静かに目を閉じた。
 ひとみ……?
 目を閉じる前、一瞬だけ不安そうにこちらを見たのは、気のせい?
 診察をしますからと明美たちが部屋の外に出され、しばらくすると斎が姿を現した。

「微熱がありますね」

「下がらないみたいなんだ」

 斎の言葉に明美が答える。

「精神面でかなり疲労が伺えます。そうとう無理をしたのではないでしょうか?」

 確かに戦士は自分を含め三人いるけど、『マリアさま』のひとみは、うちのチーム唯一の存在。変わりを勤める者は誰一人いない。

「彼女には長期の休養が必要でしょう。無理は絶対にさせてはいけない」

「長期休養……」

 絶対に必要な存在なのに、そのひとみの力がないまま戦わなくてはいけないのか。
 さすがに聖も和己も困惑顔で、黙り込んでしまった。

「私はあなたたちの力になりたい。あなた方のこと、詳しく教えていただけますか?」

 明美と聖が戦士とマリアさまの関係、それぞれの力、四人で一組だということを話した。時々相槌を打つように聞いていた斎を、和己は腕を組み、壁にもたれながら静かに見ていた。