何本ものツルをうねらせながら、地面はまるでモグラが通ったときのようにもこもこと掘り起こされて、地面に隠れた本体がそのまま凄いスピードで迫ってきていた。
「ちょっと! 追いかけてきてるー‼」
「あと少しで学校だ! 学校へ付けば和己がいる‼」
「ゾンビって、動きが鈍いんじゃなかったのかよ!?」
「どうやら植物系は勝手が違うらしいな!」
全速力で走る二人の前に、ようやく学校が見えてきた。
中へ入ると、拠点のある家庭科室の方角へ、校庭を突っ切っていく。
こうしている間にも、後ろからはきっちりと土の中を走る植物のゾンビが付いてきていた。
「和己ー! ヘルプミー‼」
和己のいる家庭科室へ聞こえるように、上を向いた聖が大声で呼ぶ。
校舎の中へいれさせるわけにはいかなかった。後方には校舎、前方には植物のゾンビ。逃げ場はない。明美と聖は立ち止まると剣を構えた。
「‼」
聖の声に気付いた和己が、弾かれた様に顔を上げる。
「和己くん待って!」
己の側の槍を手に、家庭科室を出て行こうとする和己をひとみが呼び止めた。
「私も行く!」
「………?」
本気か? 片方の眉を上げて問いかける。
「たぶん、力になれると思うの。大丈夫! 足手まといにはならないわ‼」
和己の目を真っ直ぐに見返し、覚悟を決めて頷くひとみに和己も連れて行くことを決心した。
今は、下まで降りる時間も無駄にできない。こうしている間にもあの二人は戦っているのだから。
急ぎ足で校庭に面した大きな窓を開け放ち、顔色一つ変えずに素早くひとみを抱きかかえると、
「和己くん? きゃぁ!」
驚いたひとみが小さな悲鳴を上げるのもかまわずに、彼女を抱えたままその大窓から飛び降りた。
「ちょっと! 追いかけてきてるー‼」
「あと少しで学校だ! 学校へ付けば和己がいる‼」
「ゾンビって、動きが鈍いんじゃなかったのかよ!?」
「どうやら植物系は勝手が違うらしいな!」
全速力で走る二人の前に、ようやく学校が見えてきた。
中へ入ると、拠点のある家庭科室の方角へ、校庭を突っ切っていく。
こうしている間にも、後ろからはきっちりと土の中を走る植物のゾンビが付いてきていた。
「和己ー! ヘルプミー‼」
和己のいる家庭科室へ聞こえるように、上を向いた聖が大声で呼ぶ。
校舎の中へいれさせるわけにはいかなかった。後方には校舎、前方には植物のゾンビ。逃げ場はない。明美と聖は立ち止まると剣を構えた。
「‼」
聖の声に気付いた和己が、弾かれた様に顔を上げる。
「和己くん待って!」
己の側の槍を手に、家庭科室を出て行こうとする和己をひとみが呼び止めた。
「私も行く!」
「………?」
本気か? 片方の眉を上げて問いかける。
「たぶん、力になれると思うの。大丈夫! 足手まといにはならないわ‼」
和己の目を真っ直ぐに見返し、覚悟を決めて頷くひとみに和己も連れて行くことを決心した。
今は、下まで降りる時間も無駄にできない。こうしている間にもあの二人は戦っているのだから。
急ぎ足で校庭に面した大きな窓を開け放ち、顔色一つ変えずに素早くひとみを抱きかかえると、
「和己くん? きゃぁ!」
驚いたひとみが小さな悲鳴を上げるのもかまわずに、彼女を抱えたままその大窓から飛び降りた。



