ゾンビバスター~4人の戦士たち~

 温かい!

 希望に明美の表情が輝く。うつぶせの体を仰向けに返し、腕に抱いた。

「和己、和己、私たち勝ったんだよ」

 体を揺らし、和己がその長いまつげを開けてくれるのを願う。

「………」

 返事はないものの、僅かにまぶたが震えた気がした。期待に胸が震える。

「和己……」

 もう一度呼びかけた。

「……っ」

 眉間を寄せながらゆっくりまぶたが開く。ぼんやりとさ迷う瞳が明美に留まると、そこに笑みが浮かんだ。

「……明美」

「和己!」

 和己が生きている!
 嬉しくなって強く抱きしめた。

「明美、痛い」

「あ、ごめん」

 慌てて離す。

「やった、な」

「ひとみも聖も側にいてくれたんだ。だから皆の力で勝てたんだと思う」

 明美の手から離れて起き上がる。和己は自分を見上げる明美の頬に、そっと手を伸ばした。

「お前の気持ち、聞かせてくれ」

 どきっとした。
 和己は私を好きだといったその返事を待っているのだ。
 急に居心地が悪くなってそわそわし始める。

「さ、さっきいったけど」

「俺は聞いてない」

 どうやってごまかそうかと泳ぐ視線。頬に触れていた和己の手が顎にかかってグイッと掴まれた。これじゃ逃げられない。振りほどこうにも、間近に迫る和己の端正な顔に心が引き付けられてそれも叶わない。

「私、だって……好きだよ」

 やっとの思いで告白する。
 明美の顎から手を離した和己が、目を閉じている。

「なに?」

 人がせっかくやっとの思いで告白したっていうのに、和己はなにがしたいんだ?

「キス」

「はあ!?」

 予想もしなかった和己の発言に、おもわず体をのけ反らせる。
 私からキスしろって?
 冗談じゃない!
 無理。絶対無理だ。
 逃げようとする明美を、目を閉じたままの和己が器用に捕まえる。両手を拘束されて逃げられない。

「イヤなのか?」

「イヤじゃないけど、恥ずかしいんだってばっ」

 顔を真っ赤にしながらも、明美の視線は和己の唇から離れない。

「待つ」

「待たなくていいって!」

 それなのに和己は宣言通り、明美が逃げないようにしっかり捕まえながら目を閉じた状態で、微動だにすることなく待ち続けた。
 私からキスなんてできるわけない。