明美は立つことすら叶わぬまま、両手を強く握り締め声の限り叫んだ。
「私あんたにまだ、好きだっていってない!」
叫ぶと同時に爆音。
目を開けていられないほどの爆発。風圧が襲い掛かり、顔に手をかざし、飛んでくる砂埃や小石を避ける。
和己……!
どうか、どうか和己を助けて!
強く願う。
次第に爆発が生んだ風が納まり、明美が目の前に見たものは。
影の体を崩しながらもいまだ姿形を保っている悪魔。その足元にうつぶせに倒れた和己。
その和己はピクリとも動かない。
「和己……」
頭の中で何かがはじけた。
辺りの音も、緑の匂いも感じない。そこにあるのは無。
怒りを通り越すとこんな風になるものなのか?
なにも感じない。
ただあるのは、やけに落ち着いた気持ちでいる自分。
さっきまでの痛みも痺れも、うそのように消えていた。
近くに落ちていた自分の剣を拾い、ゆらりと立ち上がる。
「闇の反乱者。あんたは禁忌を侵したんだ」
ザッと地面を蹴りあげ、猛然と走り出す。
「決して乱してはならない、この世の秩序を乱した。絶対に許さない!」
「ばかな! お前にまだそんな力が……!」
ひとみが、聖が、すぐ側で私を援護してくれているような気がした。ひとみの強さと聖の勇気を借りて、自分自ら大きな聖剣となって突き進む。悪魔の闇の体を貫いた。闇の体はそのまま明美を飲み込み、その背中から吐き出した。膝をついて着地する背後で、
「おっおおおお!」
悪魔が叫ぶ。苦しみに呻く叫び声は大地を揺るがす。悪魔の体は収縮を繰り返し、やがて消え失せた。霧が薄くなっていく中で明美は呆然としていた。手から剣がこぼれてカンと音を立てる。
そこでようやく我に返った。
「私」
勝ったんだ……。
気がつけば霧は晴れて、上空から暖かな日が射している。
そうだ。和己!
力が抜け、倦怠感が体を襲う。フラつきながらも和己のもとに近づいていく。うつぶせに倒れている和己は、生きているのか、それとも……。
「和己」
しゃがみ込んで、和己の体に恐る恐る触れた。
「私あんたにまだ、好きだっていってない!」
叫ぶと同時に爆音。
目を開けていられないほどの爆発。風圧が襲い掛かり、顔に手をかざし、飛んでくる砂埃や小石を避ける。
和己……!
どうか、どうか和己を助けて!
強く願う。
次第に爆発が生んだ風が納まり、明美が目の前に見たものは。
影の体を崩しながらもいまだ姿形を保っている悪魔。その足元にうつぶせに倒れた和己。
その和己はピクリとも動かない。
「和己……」
頭の中で何かがはじけた。
辺りの音も、緑の匂いも感じない。そこにあるのは無。
怒りを通り越すとこんな風になるものなのか?
なにも感じない。
ただあるのは、やけに落ち着いた気持ちでいる自分。
さっきまでの痛みも痺れも、うそのように消えていた。
近くに落ちていた自分の剣を拾い、ゆらりと立ち上がる。
「闇の反乱者。あんたは禁忌を侵したんだ」
ザッと地面を蹴りあげ、猛然と走り出す。
「決して乱してはならない、この世の秩序を乱した。絶対に許さない!」
「ばかな! お前にまだそんな力が……!」
ひとみが、聖が、すぐ側で私を援護してくれているような気がした。ひとみの強さと聖の勇気を借りて、自分自ら大きな聖剣となって突き進む。悪魔の闇の体を貫いた。闇の体はそのまま明美を飲み込み、その背中から吐き出した。膝をついて着地する背後で、
「おっおおおお!」
悪魔が叫ぶ。苦しみに呻く叫び声は大地を揺るがす。悪魔の体は収縮を繰り返し、やがて消え失せた。霧が薄くなっていく中で明美は呆然としていた。手から剣がこぼれてカンと音を立てる。
そこでようやく我に返った。
「私」
勝ったんだ……。
気がつけば霧は晴れて、上空から暖かな日が射している。
そうだ。和己!
力が抜け、倦怠感が体を襲う。フラつきながらも和己のもとに近づいていく。うつぶせに倒れている和己は、生きているのか、それとも……。
「和己」
しゃがみ込んで、和己の体に恐る恐る触れた。



