「………」
辺りを探り、悪魔の居場所を探る。再び沈黙が辺りを包む。絶えず邪悪な気は近くに感じる。向こうが動くのを待った。
「怖じ気ついたのか? ではこちらから仕掛けてやろう」
邪悪な力が近付いてくる。迫る。
前方だ!
「俺が奴の気を引く。明美は後方から近付いて聖水を使え」
明美の耳元で小さく声をかけた和己は、そのまま前方に現れ始めた悪魔の黒い影に向かって突き進む。
「正直に真っ正面から向かってくるとは……笑止!」
手のひらをかざし、波動を繰り出す。
「!」
前回と同じ攻撃を受けていた和己は、再び自分に襲い掛かる波動を、槍を大地に突き刺し両手で柄を握り締め、体を吹き飛ばそうとする風圧に耐えた。
「!?」
悪魔の表情から笑みが消える。目の前で吹き飛ばされるはずだった和己が、地面に刺した槍を掴んだままその場に残っていた。
和己がそのままの姿勢でゆっくり顔を上げる。
「二度同じ技が通じると思うな」
「なんだと!?」
和己の顔に見下したような笑みが浮かぶ。神経を逆なでする笑みに、悪魔は冷水を浴びせられたように動揺を見せた。和己は猶予を与えず、大地に突き刺していた槍を抜き取り両手で構える。フッと息を吐き出し、猛然と反撃に出た。
いまだ。
悪魔の意識が和己に集中している。チャンスとばかりに明美が動き、二人が戦うなか、悟られないように気を配りつつ悪魔の背後に回った。直ぐさま聖水を取り出し、気付かれないうちに渾身の力を込めて素早く投げた。
これで終わりだ!
聖水の瓶が、回転しながら悪魔の背中の部分に当たる。
「!」
瓶の硝子が弾けて中の液体が飛び散る。それは光の粒子となって悪魔の体に降り注いだ。
「な、なんだと!? う、がああああっ」
それはまさに大地を震わすほどの絶叫。身もだえし、影の体を震わせながら、やがて溶けていく。溶けた体は地面に闇のように黒い水たまりのようになり、辺りが静寂に包まれた。
和己にそっと視線を移すと、緊張を解き放つようにシャツの襟のボタンを外す所で、明美の視線に気付いた和己がやったな、というように頷いた。
「和己!」
明美が和己に抱き付く。
「私たち勝ったんだね!」
「ああ」
肩越しに聞こえる和己の声にも喜びが滲み出ている。
やった!
とうとうやったんだ!
聖、ひとみ! 仇は取ったよ‼
辺りを探り、悪魔の居場所を探る。再び沈黙が辺りを包む。絶えず邪悪な気は近くに感じる。向こうが動くのを待った。
「怖じ気ついたのか? ではこちらから仕掛けてやろう」
邪悪な力が近付いてくる。迫る。
前方だ!
「俺が奴の気を引く。明美は後方から近付いて聖水を使え」
明美の耳元で小さく声をかけた和己は、そのまま前方に現れ始めた悪魔の黒い影に向かって突き進む。
「正直に真っ正面から向かってくるとは……笑止!」
手のひらをかざし、波動を繰り出す。
「!」
前回と同じ攻撃を受けていた和己は、再び自分に襲い掛かる波動を、槍を大地に突き刺し両手で柄を握り締め、体を吹き飛ばそうとする風圧に耐えた。
「!?」
悪魔の表情から笑みが消える。目の前で吹き飛ばされるはずだった和己が、地面に刺した槍を掴んだままその場に残っていた。
和己がそのままの姿勢でゆっくり顔を上げる。
「二度同じ技が通じると思うな」
「なんだと!?」
和己の顔に見下したような笑みが浮かぶ。神経を逆なでする笑みに、悪魔は冷水を浴びせられたように動揺を見せた。和己は猶予を与えず、大地に突き刺していた槍を抜き取り両手で構える。フッと息を吐き出し、猛然と反撃に出た。
いまだ。
悪魔の意識が和己に集中している。チャンスとばかりに明美が動き、二人が戦うなか、悟られないように気を配りつつ悪魔の背後に回った。直ぐさま聖水を取り出し、気付かれないうちに渾身の力を込めて素早く投げた。
これで終わりだ!
聖水の瓶が、回転しながら悪魔の背中の部分に当たる。
「!」
瓶の硝子が弾けて中の液体が飛び散る。それは光の粒子となって悪魔の体に降り注いだ。
「な、なんだと!? う、がああああっ」
それはまさに大地を震わすほどの絶叫。身もだえし、影の体を震わせながら、やがて溶けていく。溶けた体は地面に闇のように黒い水たまりのようになり、辺りが静寂に包まれた。
和己にそっと視線を移すと、緊張を解き放つようにシャツの襟のボタンを外す所で、明美の視線に気付いた和己がやったな、というように頷いた。
「和己!」
明美が和己に抱き付く。
「私たち勝ったんだね!」
「ああ」
肩越しに聞こえる和己の声にも喜びが滲み出ている。
やった!
とうとうやったんだ!
聖、ひとみ! 仇は取ったよ‼



