「……このまま終われない」
明美が顔を上げる。そこにはっきりとした決意が浮かんでいた。
「そうだな」
明美の言葉に、和己が頷いて答える。
「こんな時に私はなんと無力なのでしょう……」
これまで大事なものを抱えるようにひとみをかき抱いて、その額を擦り合わせていた斎が憤りから呻く。
いまは埋葬するとか考えられなかった。
ひとみと聖を布団の上にそっと並べ、あらためてみる。
「二人ともなんて安らかな顔をしてるんだろう」
「まるで眠ってるみたいだな」
隣に並ぶ和己の袖を、明美は無意識のうちに握り締めていた。
「この場は私に。例えゾンビが襲撃に来ようともこの命あるかぎり、ひとみさんと聖くんを守り致しましょう」
斎の申し出はありがたかったが、正直不安だった。それを察知したのか斎が苦笑して、
「私は悪魔に直接手を出すことができないので、行っても足手まといになりましょう。ですが、ゾンビたちなら大丈夫。きっとお役に立ってみせますよ。なぁに、私の力を持ってすればちょちょいのちょいです。だからお二方は悪魔を倒しに行ってきて下さい」
ウインクを投げてよこす斎に、和己がため息をついた。
「ここは神父に任せよう」
確かに、いつまでもこうしてここに三人で留まっているわけにはいかなかった。
消えた悪魔がいまどこで何をしているのか。次に現れるのを待つわけにもいかない。
「あいつ、どこに消えたんだろう? 探すにも手掛かりがないんじゃ――」
「そうでもない」
「?」
悪魔に投げたままだった槍を拾いに行った和己が、しゃがみ込んで床を調べている。
「奴も無傷ではなさそうだ」
和己あとに続き、床に目を懲らすとドス黒いシミ。教室の入口から廊下に向かい点々と続いていた。
「これを辿っていけば……」
「奴がいる」
和己が確信に満ちた表情で頷いた。
「斎神父っここは任せたよ!」
「はい」
気をつけてください。斎に励まされながら明美と和己は教室を出た。
明美が顔を上げる。そこにはっきりとした決意が浮かんでいた。
「そうだな」
明美の言葉に、和己が頷いて答える。
「こんな時に私はなんと無力なのでしょう……」
これまで大事なものを抱えるようにひとみをかき抱いて、その額を擦り合わせていた斎が憤りから呻く。
いまは埋葬するとか考えられなかった。
ひとみと聖を布団の上にそっと並べ、あらためてみる。
「二人ともなんて安らかな顔をしてるんだろう」
「まるで眠ってるみたいだな」
隣に並ぶ和己の袖を、明美は無意識のうちに握り締めていた。
「この場は私に。例えゾンビが襲撃に来ようともこの命あるかぎり、ひとみさんと聖くんを守り致しましょう」
斎の申し出はありがたかったが、正直不安だった。それを察知したのか斎が苦笑して、
「私は悪魔に直接手を出すことができないので、行っても足手まといになりましょう。ですが、ゾンビたちなら大丈夫。きっとお役に立ってみせますよ。なぁに、私の力を持ってすればちょちょいのちょいです。だからお二方は悪魔を倒しに行ってきて下さい」
ウインクを投げてよこす斎に、和己がため息をついた。
「ここは神父に任せよう」
確かに、いつまでもこうしてここに三人で留まっているわけにはいかなかった。
消えた悪魔がいまどこで何をしているのか。次に現れるのを待つわけにもいかない。
「あいつ、どこに消えたんだろう? 探すにも手掛かりがないんじゃ――」
「そうでもない」
「?」
悪魔に投げたままだった槍を拾いに行った和己が、しゃがみ込んで床を調べている。
「奴も無傷ではなさそうだ」
和己あとに続き、床に目を懲らすとドス黒いシミ。教室の入口から廊下に向かい点々と続いていた。
「これを辿っていけば……」
「奴がいる」
和己が確信に満ちた表情で頷いた。
「斎神父っここは任せたよ!」
「はい」
気をつけてください。斎に励まされながら明美と和己は教室を出た。



