ゾンビバスター~4人の戦士たち~

「フフ、死ぬがいい」

 教室の入口付近に再び姿を現わした影。和己はすぐさま行動に移り、悪魔に向かって槍を投げた。
 それは確かに悪魔の体を貫く。

「ぎゃああああっ」

 闇の体を震わせながら叫び声を上げ、やがて姿を消す。抜け落ちた槍が、床に高い音を立てた。

「聖、重い……」

 一瞬、気を失っていた明美が呻きながら目覚めた。自分の体の上に乗る聖を引き離そうと、手をさ迷わせ、その背中に妙に硬いものが出っ張っているのに、気づいた。

 これは、なに?

「うッ……!」

「聖……?」

 顔をしかめる聖に胸騒ぎを覚えたところで、手に生暖かいヌルリとしたものが触れた。見えるところまで手を掲げてそれがなんなのか、確認する。

 血。
 血の赤。

 慌てて聖の下から這い出し、その膝に聖の頭を乗せた。

「だ、大丈夫か……?」

 聖は、苦しげに短く浅い呼吸を繰り返しながら、心配そうに明美を見上げる。

「大丈夫かって……あんたのほうが大丈夫じゃないよ!」

 聖の背中には根本まで短剣が刺さっている。そしてそこは、ちょうど心臓のあたり。
 ひとみを嘲笑う悪魔に腹を立て、自分を見失うほど見境を無くした。結果、飛んできた短剣に気付きもしなかった私を聖が庇った。
 深い自己嫌悪に、吐き気さえ込み上げてくる。

「ばーか、そんなに、しょげるなよ。俺がお前を……守りたかったんだからさ」

「………」

 痛さに顔をしかめながら笑う優しい聖に、何をいえばいいんだろう。
 どうしていいのか、なにを言えばいいのか、頭が回らなかった。

「かず、み……敵は?」

 聖の問い掛けに、側に来た和己が表現を硬くしたまま首を振る。

「手応えはあったが、悪い……」

「そっか……けど、まだ終わったわけじゃ……くッ……ない。そう、だろ?」

「ああ」

 痛みに言葉をとぎらす聖に、和己は頷いてみせながら聖の傷の深さに顔をしかめた。