―――沖田―――
僕が試合を挑んだ子はとっても華奢で。
木刀なんか振れないと思っていた。
開始の合図があっても何も変化のない彼女を見ていた。
というか観察していた。
どちらも動かないので、僕の方から動いてみた、
近づいていくにつれて、殺されるかもしれないと心から思ってしまうかのような
威圧感。
僕は首めがけて木刀を横に振ったんだ。
振ったんだ。
なのになのに。
僕だけが吹っ飛んでいた。
わけもわからず、打ち付けられた自分の体に驚いたが。
次で決めてやる。
と思ったのに僕の三段付きも、たやすくかわされまた打ち付けられたからだ。
さすがに痛いそしてビックリした。
でもビックリしたのはそのあと、
試合が終わって、彼女が駆けつけてきて。
言ったんだ。
たぶん彼女は僕に意識がないと思っていたんだろう。