「あの日は、花が咲いていたのにな………」



私は隣に生えていた緑の草を抜き、小さく呟いた。



「………お父さん」



私はクリスマスの日から毎日、朝早くから夜遅くまでここにいる。


お母さんも心配しているけど、全てを知っているのか、毎日“いってらっしゃい”と“おかえり”を繰り返してくれる。