「あっ…!」






遠くの方に見えた男子の後ろ姿。






入学してから後ろ姿ばかり見ているせいか、すぐに判別する事が出来るようになった。





「染谷くんっ!」




大きな声でその男子の名前を呼び、走って近づく。






どうせ無視されるんだよな…




と思っていたが、今日は違った。




私の声に反応して染谷くんがくるりと体をこちら側に向けた。




「うおっ⁉︎ぁいたっ!!」





つい声をだし、


それと同時に顔に鈍い痛みを感じる。