バンッ!



突如勢いよく扉は開かれ、黒髪の少年が駆け込んできた。少しだけ、息を切らして。



「おい旭、それと深紅!みんなが騒いでたぞ、代表がいないって。まさか、この期に及んで出ないとか言うんじゃないだろうな、旭」

『まったくだ。学園長も怒り心頭だったぞ、新入生を迎える大事な式を潰す気かと』



少年の傍らにはやはり淡い光の玉が浮いている。



淡い金髪の少年をようやく体を起こし、ははっと笑う。



「それは面白いね、傑作だ」

「傑作だじゃないだろうが!幼馴染みと言うだけで、何故俺が文句言われるんだ!?」

「ハイハイ。まったくお父さんはうるさいんだから」

「その名で呼ぶなっ」



騒がしく空中庭園から出ていく少年らの後を、淡い光の玉がついてゆく。