ミルクティー色の髪が風に踊る。



軽やかな足取りで待ち合わせ場所に少女は向かう。偶然か必然か、出会った少年二人と会う約束をしたのだ。



と言っても旭が一方的にだが。蒼馬はもう慣れてるのか、言い出したら聞かないと言っていた。



この学園では自主性を大事にするため、個人で学ぶ。学年やクラスもちゃんと存在するが、それは形だけ。



勿論紡ぎ師もちゃんといる。



そのため、どう時間を使おうが自由なのだ。



『カフェの森ですの、早く入るですの!』



真っ先に飛んでゆく淡い光の玉。カフェの森は幻想の森とは違い、校舎からそう遠くない。



「カフェは逃げないのに〜」



少女の声だけが辺りに虚しく響いた。