「それとね…」
言いたいことがあるらしく、もじもじしている。
…珍しい。
宙さんが女子っぽい仕草を連続でするなんて。
「付き合う、っていうより…結婚するの」
瞬間に顔が真っ赤に染まった。
宙さんが乙女すぎて困る…
殆ど反応してる暇がない。
「結婚式、やるんですか」
「うん。先生、やってなかったみたいで」
「…呼んでください」
「もちろんっ!」
すごく、幸せそう…
「あ、」
宙さんがスマホを手にするのと同時に「おやすみなさい」と言い部屋をあとにする。
きっと先生からだ。
私じゃ引き出せない表情。
競うだけ無駄ってやつだけど。
溜め息をつきドアに寄りかかると、弾む宙さんの声が聞こえてきた。
幸せなら、それでいい___


