̄ ̄ ̄ ̄ ̄
コンコン、とドアを叩く。
「あ、どーぞー」
声がして、握っていたドアノブが手から離れていった。
自動ドアかと…
「失礼します」
「いいえー」
ふふ、と笑った宙さんは、「改まらなくてもいいよ」と私に言った。
そんなに固くなってる自覚はないけど…一応人の部屋だから遠慮はしてるけど。
いや、宙さんの部屋だから、かな。
苑の部屋は普通に入るし。
ずっとDVDを観ていたらしく、テレビの前に重ねられていた。
宙さんはベッドに座り、ニコリと微笑んだ。
「好きなところへどーぞ、どこでも大丈夫だよ」
頷いていつもの定位置に座る。
「……」
沈黙。