片想い連鎖





ふー、と席に着いた苑は楽しそうだった。


微かに笑みを浮かべていて、少しそれに癒された。



苑はオーラというかなんというか…他人を癒す力を持ってると思う。


私はいつも、それにお世話になってる。


周りみんなを笑顔にする彼女を尊敬していたりする。



「どうしたの?」



訝しげに顔をのぞき込んでくる苑のデコにぺちっとデコピンをくらわす。


「いてっ」と声をあげてデコをさする様子に笑みが溢れる。



「早く食べよー。時間ないし」



一言そう告げて、苑が好きなパンを避けて封を開ける。


時間を見てさっきの立花と同じような反応を見せた苑は急いで食べ始めた。



むせるなよ、と忠告した瞬間にむせた苑。


「はい、サイダーだけど」


ありがとう?らしき言葉を口にした苑は胸を叩いて落ち着かせていた。



少し経って、苑はもう一度「ありがとー」と笑顔を見せた。