片想い連鎖





「いきなり喧嘩始めないで下さい!今からお昼なんですから!」


仲裁に入ってくる苑。


「あ、先生!俺の点数上げといてください!」


点数アップの交渉にくる友馬。



基本的にこの3人でいることが多いと思う。



小さい頃から一緒だったってこともあるけど、だからってこんなに長くいれるもんじゃない。


だとしたら多分理由はない。


理由なく傍にいれるのは、幸せなことだと、私は思う。




「お前ら仲いいなー」


「せんせー。なんか親父臭いっす」


加齢臭とかそういうんじゃなく、発言に歳を感じる…というか。


でもまぁ、確かこの人妻子持ちだし。

ある程度はいってるんじゃないかな、歳的には。



「お前なぁ…」



深い溜め息と共にじろりと睨まれた。


怖くはない。

所詮立花だし。



「先生!そろそろ戻らないとお昼食べる時間なくなりますよー」



そう苑に指摘された立花は、時計を見て「やっべ」と呟き、目の前から去っていった。


「相変わらず親父くせーなぁ」


見えなくなったのを確認してからクルリと方向転換した友馬。

また友達のところにでも行くのだと思う。