「えぇ!?聞いてないよ~」
遊乃に驚いた様子はなかった。
知ってたのかな…でも何聞いても驚きそうにないな、遊乃って。
「あそこで働くかもしれないんだよね、裏方」
「そーなの?楽しそーだねー」
「まぁ。何回か手伝ったこともあるから、馴れてるんだけどさ」
「行きたいとこでもあるんですか?」
遊乃、ナイスクエスチョン!
お姉ちゃんは眉を下げた。
「それがね…」
悩んでるんだろうなー。
就職先って重要だよね。
何処に行くかで人生だって変わるかもしれないし。
一生そこで働くかはわからないけど。
「まだ2年もありますから。ゆっくり決めた方がいいと思いますよ」
「うん!それがいいと思うよ~」
遊乃の言葉に便乗すると、お姉ちゃんは「ありがとー」と笑った。


