「どうだった?クレープ」
「美味しかった~」
率直に感想を言うと、お姉ちゃんは満足そうに笑った。
「あのメニュー造り、私も手伝ってるんだー。喜んでもらえて何より」
「そうだったんですか。美味しいはずですね」
呆気にとられて言葉を発さないあたしの代わりに、遊乃がお姉ちゃんをおだてた。
遊乃の場合、おだててるとか、そーゆうつもりはないんだろうけど。
っていうか…お姉ちゃん恐るべし。
「友達のバイト先だからって普通そこまでする?」
気になったのはそこ。
たかが…というか。
そーゆうのって、裏方さんと社長さんとか…そこら辺の人たちがやることなんじゃないのかな。
奏さんはバイトっぽいし、表にいたし。
そんな権限を持っているようには見えない。
「聞いてない?あそこの社長、奏のお父さんだって。けっこう仲良くてねー」


