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「ただいまー!」
「お帰りー。あ、遊乃ちゃん」
帰ると、玄関からひょっこりと顔を出したお姉ちゃん。
遊乃の顔を見ると、ふにゃっとした笑顔になった。
遊乃が来ること、知ってたのかなぁ?
「お邪魔します」と、遊乃が笑みをこぼす。
遊乃はお姉ちゃんのことについて何も言っていなかった。
「ほら、早く上がって!もう夕飯できてるから」
「やったー!」
お姉ちゃんの料理は本当に美味しい。
小さい頃から、両親は共働き、お姉ちゃんがご飯を作ることが多かった。
あたしはそっち系はてんで駄目で、料理以外のことを手伝っていた。
遊乃の家は、お父さんがいなくて、お母さんは働いている。
同じ感じだから、よくウチに来て泊まったりしていた。