「知り合いサービスで今日は無料しちゃうよ!はい、チョコバナナー」
「ホントですか!?ありがとうございます!!!」
「……」
明らかにさっきとテンションが違う…
というか、今日は私が苑に奢ってもらうはずじゃ…
さすが気分屋苑さん。
ちゃっかりしている。
まぁ奢りの件は、後日に見送ることにしようかな。
「すいません、これどうぞ」
苑と自分の分のお代をわたす。
いくらなんでも店長じゃないんだから、サービスは不可能だ。
「…ありがとう。気持ちだけ受け取っておく」
「…でも」
「ここの社長ウチの親なの、秘密ね」
人差し指を口元に当て「しー」と言った奏さんはやっぱり可愛かった。
可愛さの中に、大人っぽさを感じた。
さすが宙さんが選んだ友達なだけある。
いい人だ。