淡々と返すと、友馬は俯いた。
今ので傷ついたわけじゃないと思う。
自分の今までを振り返ってる。
多分だけど。
今までの彼女……友馬は何回も付き合った別れたを繰り返していて、何人か私も把握してない。
まぁ確かに友馬のことを全て知っているわけじゃないけど。
家族じゃないし、彼女じゃないし。
知ってるのはきっと、みんなにとって当たり前の、プライベートじゃないとこ。
私のこともきっと、その位知ってる。
みんなが知ってるような、そんなこと。
「…遊乃?」
返事を返すのを忘れて、涙をこらえる。
自分の無知さが怖くなって。
「遊乃!」
「っ、ごめん!」
大きな声を出した友馬を見れなくて、走り出してしまった。