片想い連鎖




ガラガラ、とドアを開けて、カーテンの閉まるベッドへと歩く。



少し躊躇って、バッと白い布を払う。





「…サボり」


「うっせ」



ベッドの淵に腰を下ろす。



額に手を置いて仰向けに寝転がるそいつは、なんだか小さく見えた。


落ち込んでるからかな…


開いた窓から風が舞い込んで、顔を覆っていた前髪をどかした。



「泣いてんなよ、男のくせに」


「泣いてねーよ」


「………」



泣いていないことを証明するためか、覆っていた手をどかした。


泣いてない。

そんなことくらい知ってたけど。


今にも泣き出しそうな顔を見せられて、悲しくなった。



自分のことじゃないのに。


あんまり人のことに首突っ込んじゃいけないんだけど…



「本気だったんだね」