この前の落ち込んでた苑とは大違い。
で、教室出たはいいけど友馬はいずこへ…
『ハートが砕けた』
あ。
目的地が見えた気がして、取り敢えず走った。
もうすぐで授業が始まるから、先生が職員室からぞろぞろと出てきてしまう。
「あら、遊乃」
「先生」
丁度保健室から出てきた先生たちのマドンナ、白石先生。
よくサボリに来ているから仲はいい。
「またサボリ?」
「いや、今日は…」
私の様子から何かを感じたらしい先生は保健室の方を見て考え事をした。
少し経って。
「わかった。じゃあ出る時は戸締りよろしくね」
男を釘付けにする微笑を浮かべて手をヒラヒラさせた先生。
これでこの学校の男は大体落ちる。