でも…と呟く宙さん。
「もし、好きな人ができたら、気になる人ができたら、私に話してね」
絶対応援する!とガッツポーズをしている様子は誰が見ても可愛い。
こういうのを恋する乙女って言うんだろうなぁ。
「じゃーそろそろ帰ろっかな」
「スッキリしました?」
宙さんは少し歩いて振り返った。
「うん!」
「良かったです」
ニコッと満面の笑みで輝いている。
この人は強いな、と改めて感じて、自分の弱さを罵る。
こんなに良い人に心配させる私は、きっと地獄行きだ。
先に外に出ているよう言われて、一足先に店を出た。
きっと、私が払うのを止めるため。
そんなことしなくたって、宙さんが嫌なことは、しないつもりなのに。
「どーしよ…」
「何が?」
「…何でもないです!」
私にまた、罪悪感が増えた。


