*******



「急に呼び出しちゃってゴメン!」


「いいですって…今日暇だったんで」



お洒落なカフェ。

目の前には美女…宙さん。


私が男だったとしたら、周りに羨ましがられて、居づらかったことだろう。



暇だったのは嘘じゃない。


宙さんがその言葉を信じてくれたかは確認のしようがないけど。


予定があったとしても多分ここに居たから、説得力がない。




「ホントごめんねー、奢るから安心して」


断ることはしない。


そのぐらい任せておかないと、宙さんに怒られてしまう。



『年上としての威厳を保つため!』

とか

『このぐらいさせてくれないと、学校まで送迎に押しかけるよ?』

だとか。



普通の人ならしないことでも、宙さんならやりかねない。


その行動力を恋愛に生かせないものか、というのはあえて口にしない。

宙さんも気づいているのかもしれない。