この学校には、長い付き合いの人が多くいる。
理由は多分、近いから。
選んだ時は適当で、ただ少しでも長く寝ていたかった、家で。
あと、それほど受験勉強に力をいれなくて良さそうだったから。
そう思っていたのは私だけじゃなくて。
だから顔馴染みが集まった。
「じゃあ」
「おー」
通りすがりにハイタッチで、笑みを零す。
そういえば廉は生徒会。
じゃあ、おおよそ行き先は職員室。
本当に廉は使われやすい。
私も人のことは言えないんだけど。
廊下の窓は開きっぱなしで、まだ暖かい春の風が吹き込む。
「生ぬる…」
顔を顰めて独り言を呟く。
今から教室に戻って、変な視線を浴びるのも嫌だ。
だからといって、また保健室に戻るのは、度胸のない私にとって地獄。
いいサボリ場所はなかったっけ…。