みんなに話さない。
その選択は間違えていなかった。
ただ、意味をなさないだけで。
理由…言い訳…。
あいつを嫌いになれるものが何か1つでもあれば。
もしくは、他に夢中になれるものがあれば…。
「あー、遊乃」
「…廉」
制服についた埃をはらい、立ち上がった時。
「どーしたの、そんなとこで」
保健室を指して怪訝そうな顔をした。
お前こそ何やってるんだ、って言ってやりたいんだけど。
「少し寝てた。今から帰る」
「大丈夫?」
「まぁ、少し良くなった…」
今野廉。
小学校から同じで、それなりに仲がいい。
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