「そろそろ戻る…ゆっくりしてるといいよ。その内先生戻ってくるから」
「おー」
顔を背けたままの会話。
お互いに気持ちが通じない会話の冷たさは、私がよく知ってる。
勢いよくドアを閉めて、大きな音に自分で驚く。
力が抜けてその場に座り込んだ。
明日には仲直りして、私に笑顔で伝えてくるんだろう。
それが1時間後かもしれない。
明後日かも。
時間がかかればかかるほど、戻った時の私の傷は大きくて。
そんなこと、友馬は知るはずもなくて。
きっと私は笑うんだろう。
「おめでとう」「もう喧嘩すんなよ」って。
白々しい。
自分で自分に嫌気が差す。
別れろ、って腹の中で願ってる自分を彼に知られたら、嫌われるだろうか。
そんなの決まってる。


