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「遊乃!」



放課後の部活に行く友達と共に教室を出た時。


少し怯える苑に呼ばれた。



「今大丈夫…?」


隣の奴と私を交互に見ながら、不安そうに尋ねてくる。

面倒だ、と思い先に行くよう言った。


今から話を聞いて、それから追いかけてもどうせ追いつけない。



つまりはここでさよならな訳だけど。





「どーしたの」


「っ…ごめん!」


「何が」



少しキツくなってしまった。


でも、苑にはただ流れだけで謝ってほしくなかった。


きっとお前が悪い、とでも言われたんだろう。

その言葉1つで苑は謝る…理由も知らずに。



「…あたし、遊乃を羨ましいなって思った。だから嫉妬した…自分はなんの努力もせずに」


「……」


「自分は自分だって思えなかった…自分を他と比べた」


「別に謝ってほしかったわけじゃないよ。今日1日避けてたわけじゃないでしょ」