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「おはよー!遊乃」



「…おはよ、苑」


返事を返すと、満足気にニコリと笑った、私の友人。

すごく単純でわかり易い。



相手の、特に女子の気持ちを理解することの難しい私にとっては、扱いやすい……話しやすい相手。




「はよー」



ガラガラっと勢いよく登校してきた坊主頭の男。


見るからに野球部な橘友馬。

最近彼女ができて、少し、かなり浮ついている阿呆ヅラの奴。



「よっ」



「……」


「お前だよ、遊乃」


「あぁ、よー」



クルッと振り返ると、ギリギリまで顔が迫ってきていた。


「ふざけんな、リア充」


小さく呟いて前を向く。



彼女持ちと話していると、私の苦手な女子に睨まれるということ、最近学んだ。