「遊乃ちゃんと自分を比べない方がいいよ」
「え?」
「比べたからそうなってんでしょ。遊乃ちゃんを羨ましいって思うな、あれは遊乃ちゃんの人間性から来てるの。仕向けてやってることじゃないでしょ」
「そっか…あたし比べてたんだぁ。」
「あんたってそーゆうのに疎いのね…。まぁでも、理由がわかれば少しは考え方もわかるでしょ」
こめかみに手をやり目を瞑ったお姉ちゃん。
妹の惨状に呆れたんだろう。
「ごめんね」
「…謝る相手違うから。ちゃんと自分の気持ち言いなさいよ、後悔するのは自分なんだから」
ビシッと指を指して店に入って行った嵐のようなお姉ちゃん。
いつの間にか買い物カゴを持たされていて、さすが、と苦笑した。
「えーっと、小松菜いんげんに…キャベツ」
後を追っていくとメモを握りしめ急に立ち止まった。
「うわっ、どしたのお姉ちゃん」
「っ何でもない!野菜が多すぎることに驚いちゃってさ〜」
お姉ちゃんは最近野菜嫌いなんだよねー、とスタスタ歩いていくけど。
少しだけ、見知った顔。
あれは………


