…昔からのあたしの癖。


多分治らないかなぁ、癖って意外にも治らないものだと思う。




「あ、今日はバイトだったぁー。そろそろ帰ります。んじゃ!」


気まずい雰囲気から逃げるために、適当な理由をつけてその場を離れる。



いつも逃げてばっか。


こんなんだから、弱いんだ。



「あ、苑!」



俯いてた顔を上げた。


目の前には幼馴染みの顔。



「どーかした?」


「遊乃見なかった?」


「えーっと…ごめん、わかんないや」


「そっか。わり、呼び止めて」


「ううん、見つかるといいね」



おー、と手を上げた友馬は、靴箱の方へと走って行った。

グラウンドに行ったのかな。



ていうか、今の時間って友馬は部活じゃなかったっけ?


大事な用事でもあったのかな。