*******
「苑ちゃんっ」
放課後のチャイムがなって、みんなが校内から居なくなっていく中、あたしは中山さんと恋バナをしていた。
中山さんは恋バナが好き。
あたしも好き。
こんな共通点から、あたしはしょっちゅう、中山さんと恋バナをする仲になった。
購買にはいろんな生徒が集まって、教師も来る。
そこで、中山さんが感じたこと、見聞きしたことを、あたしは教えてもらう。
そしてあたしは、多くの人脈から見聞きしたことを、中山さんに伝える。
そして2人で盛り上がる。
人脈といっても大したことじゃなくて、仲のいい後輩がそういう情報に詳しいだけ。
あたしは結構人見知りなとこがあるから友達の多さでは競えない。
「どーかしたんですか?」
いつもの元気が少しばかり欠けている中山さん。
今日のお昼に会ったときは、いつも通りに元気だったと思う。
まぁ、あたしの表情の読み取り能力なんて、全然アテにならないんだけど。