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苑の食料確保探検!
…大袈裟すぎたかも。
取り敢えずあたしには、自分と苑の昼食を確保する任務がある。
目の前の男どもから絶対に奪い取ってやる!
…………………よし。
「あ、苑ちゃん!」
「ほぇ!?」
助走をつけたと同時に、馴染みのある声が聞こえた。
気を張っていたせいか、可笑しな声が出てしまった。
「中山さん?」
「こっちこっちー」
微かに見えている手を頼りに、購買の裏のドアから、内部に入る。
これが購買の実態か…!
ってほど、特に何かがあるわけでもなかった。
「はいこれ」
購買のおばさん、中山さんが手に持っていたのは、いくつかのパン。
その中にはあたしの好きなものもあった。
「これって…」
「苑ちゃんを男の中に放るわけにはいかないからね。これからはここにおいで、いつも話し相手になってもらってるからね」
「やばい中山さんイケメンっ」
「そこは可愛いにしておくれよ」
はっはっは、と豪快に笑う中山さんに「可愛い」と一言告げる。