《第105回、唐笠高等学校入学式を始めます。》




最初は教頭の始まりの挨拶から。




《まず初めに、校長先生からお願いします》




「絶対長いだろ。」



小声で愚痴をこぼす、直弥くん。



…気持ちは分かるけど…



「ホント、絶対長いんだよねぇ…あとで叶ちゃんに癒してもらお」



……真実ちゃん、今変なこと言った…?


まぁいいや(笑)






それから、約10分後……。




これは流石に…



『長い…』




…と、呟いた瞬間。



「だよな。」


『!?先…生……!!ビックリしたぁ……』


「いや、気づけよ…」


「そんなトコも可愛い♥」


『本当にビックリしたんだから…!』


「…俺、幽霊扱いか?」


「いや、変人扱いだろ」



直弥くん失礼だよ(笑)



「そうか、それなら、良い。」



…え、良いの?本当に変人だな……。


なんて話していると、やっと終わるようだ。




《新しい学校生活を楽しくおくってください》



《…校長先生、ありがとうございました》





やっと…終わった。


あとは余計に沢山ある普通の良くありがちな話を聴くだけ。



そうしたら、今日は終わり。







……それから、1時間。



座ったまま話をただただ聴き、入学式は終わった。





『ふぅ…やっと終わったね。流石に疲れた…』


「だよねぇ…あ、この後暇?」


『?うん、暇だけど…』


「じゃあ、アタシ、これから遊ぶからどう?」



『うん!行くよ!』



急な遊びの誘い。



「なぁ、なんの話してんの?」


そして、直弥くん突然の乱入


「あんたには関係ないのー」


「なんだよーそれ」


少し拗ねる直弥くん可愛いな(笑)


『あのね、今日、この後、遊ぼうって!良かったら、直弥くんも遊ばない?』


可哀想だし…勢いに任せて誘ってみた。答えは…



「おう!」


OKらしい。こういう新鮮な感じ、良いなぁ…



『楽しみだなぁ…友達と遊んだこと…ないから…』


「え?」


「友達と遊んだことないって…?」




2人は疑問を持って私に聞き返してきた。




『あ…えっとね…中学の頃は、気の合う人がいなくて…遊んでなかったの。』


「そっかそっか!高校に入学してからは友達のアタシ達が居るもんね!」


「楽しくしようぜ!」



2人は優しいな…


こんな私を゙友達゙と呼んでくれるなんて…。




『ありがと』



思うままに、私は、笑った。



「うん!」


「おう!」





こんな友達を持って、私は幸せだなぁ。



この先も仲良くいれますように―――――。