私はケータイ小説作家


{まぎらわそうっ!}






「今度のお祭りさぁ、」
「あ、その、さっきつぶやいたのはっ!」








ふたりの言葉が重なった。いつもならばクスクスと笑えるこの場面も、この状況ではさっぱり面白くない...はずなのに。





「うふふ・・・。こういうのよくあるね、最近。なんだろう、気が合うっていうのかな、なん か嬉しいし、楽しいし、でも何かもどかしい。ねぇ?」





{麻里がそんな風に思ってくれているなんて、今まで全然気がつかなかった。私はただ、ヘン  ーーー!!\(*3*)  ってな風にしか、思ってなかったから。}



「そだね。で、お祭りの話なんだけど、」






麻里がまたヘンなことを口走らないために、早めに話を再開する。なのに。彼女は気づいているのかいないのか、こんなことを言ってきた。






「ふふっ。最近るるの様子、おかしいよ。何かあったの??好きな人ができたとか・・??」



「そーかなぁ?でもでも、残念、ハズレ~!好きなヒトなんて、いーまーせーん~!!」





ウインクしながらそう言ったけど、麻里にはどう捉えられただろうか。好きなヒトがいるのを隠そうとした風に思えただろうか。






{今まで親友だと思ってた麻里に、こんなにも想いが伝わらない日はないのに。
  麻里こそどうしたんだろう?聞きたいケド、いくら親友でもさすがに踏み込んじゃいけな  い領域ってのもあるよね。きっと気のせいだよね。うん。}





{どうして・・・?どうして?麻里が、こんなにも遠く感じる・・・。こんなに近くにいて、 ずっと親友なのに・・・}





「麻里こそなんかあったの?最近、うっかりミスとか多くない?気のせいかなぁ??」