恋愛協定の破り方

二人揃って、やって来た電車に乗り込む。

いつも通り空いている車内の椅子に、並んで腰掛けた。

肩と肩がくっついて、どきどきしてしまう。

涼しい顔をしている隣のハルに、悔しさを覚える。

それと同時に、かっこいいなあとも思うのだ。

つくづく私は彼がすきだ。


「湊はどこの駅で降りる?」


きかれて、最寄り駅の名前を答える。


「俺はその次の駅で降りるんだ。
結構近いところに住んでるんだね、俺たち」


近い場所に住んでる、その事実をうれしいと思う。

ハルがそれをうれしそうに言うことを、もっとずっとうれしいと思う。

彼が目を合わせて笑う。

それから、唐突に切り出した。


「話、してもいい?」

「うん」

「湊が電車で勉強したいとかやりたいことあるなら、また今度でもいいんだけど」

「テスト前にしか電車では勉強しないよ。
それに、気になるからきかせて欲しいな」


わかったと、そう彼が頷いた。

何を話してくれるのかな?