~お姉ちゃんの恋人~

まだ、わたる君を睨みつけているおねえちゃんの腕を引っ張るあたし。




「おねえちゃんの……彼氏は……わたる君じゃないの…?」




『はぁっ?』



あたし以外の三人が同時に言った。



「……ゆう?何言ってるの?あたしの彼は………准よ。」




「……………はい?。」



「いやぁ、奇遇?」


呑気なお兄さんのコメント。



「だって……、おねえちゃんの彼は大学生だって…」


わたる君のお兄さんはもう就職してる年齢だし。



「ごめんっ、悠里ちゃん。俺、浪人したうえバイクで事故って二年遅いんだ。それで、わたると同じ学年なわけっ。」



……留年?…浪人?



「プッ…。」


わたる君が、笑いだした。