~お姉ちゃんの恋人~

「……っ!」



頬を押さえるわたる君が、凄く気の毒に見えた。



「悠里っ、帰るわよ!」


あたしの手を無理矢理引っ張るおねえちゃん。


おねえちゃんは怒ると怖いんだよね…。



…なんて、呑気に考えてたけど…。



「あわわっ…。おねえちゃん待って…。」



ちゃんと話しなきゃイケナイんだ。



このままじゃ…。



あたしの気持ちも、おねえちゃんの気持ちも、わたる君の気持ちも…。



「待ってください。おねえさんっ!」


わたる君の、一言にあたしとおねえちゃんが固まった…。