~お姉ちゃんの恋人~

わたる君の笑顔に、あたしは笑顔が返せない。


…どうして?


…どうして、おねえちゃんとあたしなの?


あたしたち姉妹なの?

全然関係ない人なら、あたしは気付かなかったかもしれないのに。

わたる君は、本当に悪い人なの?


あたしは、うつむいたままソファに座った。


…カチャ…。


わたる君が、アイスティをテーブルに置いた。


「……。わたる君に、話があって……。」



「…うん。」


重い空気が流れる。



「悠里ちゃんが、言いたいことは…わかってる…。」