~お姉ちゃんの恋人~


おねえちゃんへの後ろめたさをしまいこんで、あたしはボートに乗った。


湖の上は、涼しく感じられた。


「わたる君、今日はありがとう。楽しかったです。」


「俺も楽しかった、また来ようね。」



社交辞令でも、嬉しかった。


本当にまた、来られたら良いなぁ。


「わたる君は、毎日バイトなの?夜とか…。」


「今は、大学休みだから、結構バイト入れてるな。でも………悠里ちゃんと出会えるのわかってたら、あんまり入れなかったかも。」


「……え…?」



「バイトなければ、もっと沢山悠里ちゃんと遊べたからな……残念。」