~お姉ちゃんの恋人~

翌朝まで良く眠れなかった。


あたしがキャンセルされれば、おねえちゃんには敵わなかったってコト。


じゃあ、あたしとデートしたら、おねえちゃんが悲しむってことだよね。


どっちもイヤだ。


待ち合わせ場所に向かう。


前と同じ駅前の駐車場。

………あった…。


いつものわたる君の車と、車に寄り掛かりながら、タバコを吸うわたる君がいた。


「悠里ちゃん。」


わたる君が優しい笑顔をあたしにむけた。



その笑顔を見た瞬間……………あたしの心の中で、何かが弾けた。