~お姉ちゃんの恋人~

……せっかく王子さまに出会えたと思ったけど。


……何も会話出来なかったな。


……助けてもらったのにお礼も……


でも、男なんて…。


見た目で判断しちゃいけないのかも…。


「ったくムカつくっ。」


ブツブツと一人ごとを言いながら自転車に鍵を差し込んだ。


「さて、帰ろうっ。」

そのとき……。


「送るよ、悠里ちゃん?」


固まるあたし……。


この声は……。


振り向くと、そこに……。