~お姉ちゃんの恋人~


「ね、悠里ちゃん?お~いっ、聞いてる?」

「あっ、はいっ。」


あたしは、隣のチャラい男に話しかけられていた。


「悠里ちゃんて、可愛いのに彼氏いないんだ?」


「まぁ…。」


「俺っ、どうかな?つ~か…」


隣で、あたしの腰に手を回してきた。


ハッと、そいつを睨む。

「ふぅん。睨んだ顔も可愛いんだ。」


…やだ、なにこの人…

…怖いよ。


あたしは、黙ったまま、体験したことのない恐怖感で、動けずにいた…。


周りは賑やかで、誰も気付いてくれない。