片方の人影の正体は太一。


もう1人は…。


「コイツ、隼人。」


私は太一から紹介を受け、立ち上がった隼人に“初めまして”と声をかけた。


ホントは“初めまして”じゃないんだけどね。


私と美奈の隣の太一のクラスで割と太一と一緒にいるのを見かけてから目に入るようになってた。


「初めましてじゃないよ?けっこう顔合わせてるし。」


「でも話すのは初めてだよ?」


「まぁね。」


そう言って笑った隼人にドキッとした。


美奈はどういうつもりで私を誘ったんだろ。


学校で見かける隼人は確実にモテる部類で入学してから早3ヶ月、彼女のいない時はない。


夏休み前で既に何人目だっけ?


恋愛に奥手な私には苦手なタイプだ。


それは美奈も知ってるハズ。


「始めよっか?」


そんな私の気持ちをよそに美奈ははしゃぎながらそう言った。