ネコの家を知って、なんかしようとするかもしれない。
男は軽く荷物を持ち上げ、ネコにいろいろ問い掛けるのを、私は後ろから見張る。
「ねぇ、名前なんていうの?なんかさぁ、何処かで見たことあるんだよね。俺達会ったことないっけ?」
古いナンパのセリフ……。
やっぱり、この男は気に入らない!
「ん~、夢の中で会ったかもしれないかな?」
ネコの言葉に男は考え込む。
「夢の中かー。いや、もっと現実的な感じなんだよなぁ……」
もしかしたら、このふたり、意外と気が合うかもしれない。
ううん、駄目よ!
ネコにはこの男子は似合わない。
黙って立ってたら似合うかもしれないけど。
女子の弱みに付け込んでナンパをするのが気に入らないし、あの古臭い口説き文句も気に入らない。
そしてなにより気に入らないのは……。
私を空気のように"無視"してるのが気に入らない!!
ネコの家が見えてきたとき、私は大きな声で言った。
「ちょっと!!」
ネコと男は同時に私を見て、不思議そうな顔をしている。
「私とネコは友達なの!なに私のこと無視してんのよ?!」
すると男は私をジッと見て、真顔で言った。
「友達……?デカくて、不細工だな……」



