「なぁ、モモクロのCD貸してくれよ」
「はぁ?昨日はいらないって言ってたじゃん」
「気が変わったんだよ。お願い、貸して?萌ちゃん」
両手を合わせてお願いポーズをするこうちゃんに、ネコは机の上からCDを取ると、こうちゃんに投げつけて言った。
「気持ち悪い!!」
そしてネコが部屋を出ていくと、今度はこうちゃんが私に言う。
「アイツさぁ……顔は結構可愛いんだけど、本当可愛くないよなぁ。男の前だけでも可愛くなれって言ってんだけど」
「え」
男子の前ではいつも可愛いけど。
「まぁ、あんなんでも中学のときは男から人気あったみたいだけど、女からはいろいろ言われてたからな。悪い奴じゃないから、仲良くしてやってな」
こうちゃんはそう言って窓を閉める。
そしていつの間にか部屋に戻っていたりりかが窓を閉めて言った。
「こうちゃんともえおねぇちゃんはね、いつもケンカしてるけど、ほんとうはなかよしなんだって。ママがいってた」
「そうなんだ」
「りりかぁ。お姉ちゃんのお友達に嘘なんて言わないの」
「あ、もえおねぇちゃん!」
振り向くとネコがジュースを持って立っていた。



