部屋を出て少し歩くと、話し声が聞こえた。
岩瀬くん……?
私は立ち止まり、その声に耳を澄ます。
「……うん。……うん。いや、背のデカイ奴がさー、可愛くないんだけど、男慣れしてなさそうだったから、喰えるかなって思ったんだけど、超固いんだよねー」
背のデカイ奴って私?
可愛くない?!
放っとけっつーの!!
「可愛い奴はさ、なんか見透かされてるみたいで気持ち悪いし。だからお前も来いって。三人じゃキツイんだよ」
岩瀬の言葉に怒りが込み上がる。
「な、来てくれよ。奢るからさ」
奢る?
耳がピクンとなる。
じゃあ、お言葉に甘えて奢ってもらおうじゃないの!
私はトイレに行くのも忘れて、急いで部屋に戻ると唄っているネコのマイクを取り上げる。
「なにすんの?」
真顔で言うネコに、メニューを渡して言った。
「なんかね、岩瀬くんの奢りみたいだから、いっぱい頼も?」
「マジで?」
「うん!!」
そして私とネコは沢山オーダーする。
可愛くないとか男慣れしてないとか……。
女子をなめんじゃない!!
「さぁ、曲入れようよ。AKBでも入れる?」
「知らない」



